ペリビーム®︎

イオンビーム照射ePTFEシート

ペリビーム®︎ PeriBeam®︎

本製品は株式会社多磨バイオが日本、アメリカ合衆国、中華人民共和国、台湾において特許取得した医療用シートの技術から開発され、薬事承認を得ております。

販売名

ペリビーム

承認番号

23000BZX00360000

一般的名称

人工心膜用補綴材

JMDNコード

36182000

滅菌済

単回使用

品番
サイズ
JANコード
P-090-1212

LLサイズ
12cm×12cm 厚さ 90μm

【JANコード】4589795950234

P-090-1010

Lサイズ
10cm×10cm 厚さ 90μm

【JANコード】4589795950227

品番 P-090-1212 P-090-1010
サイズ

LLサイズ
12cm×12cm 厚さ 90μm

Lサイズ
10cm×10cm 厚さ 90μm

JANコード 4589795950234 4589795950227

※本製品は、独立行政法人理化学研究所の特許が使用されています

製造販売元:株式会社多磨バイオ
〒180-0022 東京都武蔵野市境2-2-18グランクレステ402
TEL:0422-53-5051
FAX:0422-38-5091

1.製品の概要

【販売名】ペリビーム
【類別】医療用品 04 整形用品
【一般的名称】人工心膜用補綴材
【クラス分類】IV
【承認年月日】平成30年11月26日
【承認番号】23000BZX00360000

【使用目的又は効果】心膜補填及び代用

【構造・原理】
本製品は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)製シートで、片面にはイオンビーム照射がなされている。イオンビーム照射面はやや茶褐色を呈し、非照射面は白色で平滑であるため、照射面・非照射面の区別ができる。
なお、区別のため、イオンビーム照射面に刻印が打たれている。厚さは90μm(0.09mm)である。

2.開発の経緯/開発コンセプト

・人工心膜用補綴材として、癒着や感染リスクの減少
生体補綴材料として、ePTFEは体内で非常に安定且つ劣化しない材料であるが、これまで心膜欠損部に対して用いられてきたePTFE製シートは組織親和性が低く、感染の危険性があり、再手術しなければならない症例が多いと言われている。一方、生物由来の心膜シートも多く用いられてきたが、石灰化を起こすと同時に保存液の影響等により脆くなっているケースがみられ危険であるとも言われている。
本製品は、ePTFE製シートのイオンビーム照射面が多孔質に加工されていることにより、組織細胞が入り込み、膜が形成され、感染のリスクが低くなると考えられる。そして、膜が形成されれば癒着の危険も低くなると考えられる。なお、本製品はフィブリン糊を介して生体組織と接着可能である。

・再手術による摘出の容易さ
本製品は上述のように生体組織と接着する一方、組織との癒着が確認できず、再手術時の摘出が容易であることが示唆された。

・柔らかに生体にフィット
多軸延伸による独特な成型法で製造しており、手触り感や柔らかさが極立っている。
なお、心拍動を想定した加速疲労試験、強度試験、縫合糸引張強度試験、破裂試験等により十分な強度を有することを確認済みである。

・開発の経緯
独立行政法人理化学研究所、東京女子医科大学並びに財団法人化学及び血清療法研究所は、イオンビーム照射による表層改質(ePTFEの表面を粗くすることで細胞の接着性を良くする)により術後髄液漏を防ぐ研究を行った。
4種類の1価正イオン(4He+、20Ne+、40Ar+、84Kr+)をePTFEに照射し、生体適合性について比較検討を行った。その結果、イオンビーム照射ePTFEと硬膜の接着・密閉効果を分析するため、ウサギ硬膜欠損へ試料の埋め込み試験を行ったところ、全てのイオンビーム照射試料はフィブリン糊を塗布した直後からフィブリン糊を介して生体硬膜及び頭蓋骨と確実に接着した。更に、ウサギ硬膜欠損部への試料の1か月留置試験でも、非照射ePTFEと比較してイオンビーム照射ePTFEでは髄液漏れは認められなかった(引用文献:日本内分泌学会雑誌Vol.80 Sep. 2004)。イオンビーム照射の最適条件を基に株式会社多磨バイオが開発した合成人工硬膜「デュラビーム®」は、上市後の臨床使用実績が2,500症例を超え使用が拡大している(2024年6月現在)。

断面図電子顕微鏡写真(×1000)

未照射表面
照射表面
  • イオンビーム照射により照射面に凹凸が生じている。
  • スパッタリングによるエッチング加工

3.本製品のブタ心嚢膜埋植試験

【埋植方法】ブタ10 頭を用い、心嚢膜へ本製品を移植・剖検し、その有効性及び安全性を確認した。
【第1群(本製品/外向き)】イオンビーム照射面を外向き(心嚢膜側)、平滑面を内向き(心臓側)に埋植。
【第2群(本製品/内向き)】イオンビーム照射面を内向き(心臓側)、平滑面を外向きに埋植。
【第3群(対照/類似医療機器)】内側、外側とも平滑面である。
【観察期間】埋植後8週間。
【試験結果】全例について、不具合、有害事象は認められなかった。

ブタ心嚢膜埋植試験:56日後

Ar+イオンビームを照射した厚さ90μmのePTFEシートをブタの心嚢膜に植え込むと2ヶ月後には以下写真の白枠内のようにイオンビーム照射面には新生膜が形成された。

この病理標本に見られるようにイオンビームを照射したePTFEシートの表面にはリンパ球、マクロファージが浸潤し、さらに繊維芽細胞の増生が観察された。

4.本製品の写真

イオンビーム照射面

「 ION 」もしくは「 Ion 」と刻印が押されている。マット感のある白色で、やや茶褐色を呈する。

イオンビーム非照射面

白色・平滑で、やや光沢がある。