お知らせ

人工硬膜デュラビーム®の生体親和性と組織再生能について、東北大学脳神経外科により学術発表されました(CNTT/JSAN2025@大阪国際会議場)。

人工硬膜デュラビーム®の生体親和性と組織再生能について、東北大学脳神経外科により学術発表されました(CNTT/JSAN2025@大阪国際会議場)。抄録を掲載します。

第34回脳神経外科手術と機器学会CNTT2025
第18回日本整容脳神経外科学科JSAN2025
2025年4月19日(土) 大阪国際会議場 第4会場
9:35~9:50 JSAN開会式 会長:貴島晴彦 大阪大学大学院医学系研究科 脳神経外科学
9:50~10:50 CNTT/JSAN合同口演 手術材料の革命
座長:阿久津博義 獨協医科大学 脳神経外科
       堀内哲吉 信州大学医学部 脳神経外科
CJO-2
人工硬膜デュラビーム®の生体親和性と組織再生能についての探索的研究
永井友仁1、安藤大祐1、冨永慶太2、中屋敷諄3、大沢伸一郎1、遠藤英徳1、新妻邦泰4
l)東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野2)広南病院脳神経外科3)岩手県立中央病院脳神経外科4)東北大学大学院医学系研究科神経外科先端治療開発学分野

【目的】人工硬膜の素材である延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は生体親和性に乏しく自己硬膜との接着性も悪いため,術後の髄液漏等が問題となることがある.デュラピーム®は,ePTFEにイオンピーム照射を施すことにより細胞接着性を高めることで,生体親和性の向上を図っていることが特長である.我々はデュラビームを用いた硬膜形成術後に人工硬膜の透明化と新生組織の増生を認めた症例を経験したことから,本製品における生体親和性のメカニズムについて探索的研究を行った.

【方法と結果】ラット頭蓋内に人工硬膜を留置し,生体との反応性を確認した.留置4.5カ月後に人工膜が半透明化しており,周囲に淡黄色の生体膜を形成していた.また,マウス)腹腔内にデュラビームを留置すると人工模の半透明化と血管新生を伴う生体膜の増生を認めた.組織学的にはイオン照射側表面にePTFE の貪食像を伴う多数の多核巨細胞を認め,人工膜内に細胞成分の浸潤を認めた.電子顕微鏡画像では人工膜表面に線維芽細胞およびマクロファージ様の組織を認めた.摘出した組織を培養すると,線維芽細胞や間葉系幹細胞様の細胞増殖を認め,免疫組織学的検討では,幹細胞を含む複数の細胞種が混在していた.この細胞をシングルセルRNAシーケンスで解析すると,遺伝子発現量に基づいて12の細胞集団に分割でき,線維芽細胞,間葉系幹細胞,マクロファージ等を含めた複数の細胞種が混在していることが推定された.

【結語】人工硬膜デュラビームの長期留置により,デュラビームの透明化と生体膜の新生を認め,生体膜を構成する細胞集団には間葉系幹細胞が含まれていることが明らかとなった.これらの結果から,デュラビームは生体親和性を持ち,それを足場として組織修復が行われる可能性を持つことが示唆された.

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